新社会人の心得 取引では曖昧な表現が多く使われる
●取引では曖昧な表現が多く使われることを知る
各国間の協議問題でも、日本の曖昧表現が問題として取り上げられる
ことがあります。ストレートな表現を好む他の国から嫌われる原因のひとつの
ようです。
学生時代は、「好きだ、嫌いだ。」、「やる、やらない。」、
「これはこうする、それは違う。」とストレートに自分の意志を表していたものですが
これが社会人となって会社で働くようになると、とたんに、それだけではすまない
現実がわかってくるようになります。
たとえば、企業に訪問して、製品のPRをします。熱心な営業努力のかいあって
先方から、「じゃあ、とりあえず見積をください。検討してみます。」という言葉を
いただいたとしましょう。
学生時代からのストレートな考え方で言えば、見積即購入と思うかも知れませんが
そうはいかないのが、現実です。
「とりあえず」という言葉を言った時点で、購入してくれるかどうかは、50%以下の
低い確率なのが、真実です。
見積提出後、いかかでしたかというこちらの問合せにたいして
「考えておきましょう。」などの言葉が出た場合、ほぼ購入は絶望的と思っても
間違いないでしょう。
この場合の、「とりあえず」は、「お宅から購入するかどうかはわかりませんが、
まずは価格をご提示ください。」ということを表現しています。そして
「考えておきましょう。」の言葉は、遠まわしに断る表現として知られている
言葉なのです。
馴れないうちは、言葉だけを見ると「購入をするかどうか、ちょっと考えてみる」と
いうふうに受け取れなくもない気持ちになりますが、決してそうではありません。
そして、やはり購入は他社に決まった場合、相手先の担当者は、きっと
「この次はよろしくお願いします。」という言い方をするでしょう。しかし
この次は、この次になってみないとわからないのが本当のところです。
実際は、この次も、競合見積になって、かなりの価格差がないかぎり、いままでの
つきあい優先という結果になるかも知れないのです。
こういった物事の真意をぼかす曖昧な言い回しに、新社会人は馴れていかなければ
なりません。何度も、こういう表現を聞かされ、その結果を見てこうした言葉の真意を
読み取る空気を覚えながら成長していくということになります。
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投稿者 on 2008年04月10日 17:22
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