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アラビアのロレンス Lawrence of Arabia Part2

◆アラビアのロレンス Lawrence of Arabia   Part2

  1962年 イギリス映画 (カラー)

「どうやって、こんな偉大な映画を作ることができたのだろう。
 これはまぎれもなく映画界の宝だ。」

上の言葉は、ある映画雑誌の記事で読んだ記憶がある。
多分、ジョージ・ルーカスかS・スピルバーグのどちらかだったと思う

こんな言葉がまったくあてはまるこれは偉大な映画である。

◆見どころ

きびしい,荒涼とした,言語を絶する砂漠の美の世界が,ロレンスの内なる
情熱とともに展開する前半と、ロレンスの理想と情熱がアラビアの利権を
手に入れんとする巨大な権力の歯車に押しつぷされていく後半が,70ミリの
大画面で最大級のドラマとして結実している。映画としても類のない壮観を
呈した傑作。

このような賛辞が、数多く与えられたまことに見ごたえのあるドラマです。

今回、久しぶりに「アラビアのロレンス完全版」を観てみましたがやはり
映像的には、すこぶる優れている作品だと改めて実感しました。

撮影はフレデリック・A・ヤングという名カメラマンですが、アラビア現地ロケの
カラー撮影が特筆されます。特にハリス族の首長アリが表れるかげろうのような
シーンは70ミリの特質を生かした歴史に残る名シーンとされています。

しかし、この映画があまりに世界的に高い評価を得たためにアラブ民族を描く
エピソードに非難があったことも事実です。

そもそも、この争いは第1次大戦当時、アラブ世界の広大な土地がトルコの
支配下にあったことに端をはっしています。当時、トルコはドイツを支持していた
ため、イギリスはドイツへの牽制の意味でアラブの独立運動を支援する側に
まわったわけです。しかし、結局はトルコに変わってアラブを支配したにすぎません
でした。

lawrarab2.jpg

【トルコ軍の列車の上で手を振るロレンス】

結局は、当時の大国のナワバリ争いに過ぎなかったわけです。

アラブ民族会議のエピソードなどに見られるアラブ人の描き方はまるで大国の
指導がなければ愚かな民族間の争いを繰り返す人々と思われかれない部分も
存在しているわけです。

まして、監督は同じイギリス人のデヴィット・リーンです。このような非難があっても
不思議ではありません。

しかし、こういった非難を肯定してもこの映画は素晴らしく面白いのです。

確かに経済大国が作る自国の英雄を描いた映画ですから、多分に製作国よりの
描写になるのはやむをえませんが、この映画にはロレンスという主人公を描いて
イギリスの自己批判という部分も存在しているからです。

laoa-2.jpg

【アラブ軍の行軍シーン】

続きは、Part3で

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