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アラビアのロレンス Lawrence of Arabia Part1

◆アラビアのロレンス Lawrence of Arabia

  1962年 イギリス映画 (カラー)

「どうやって、こんな偉大な映画を作ることができたのだろう。
 これはまぎれもなく映画界の宝だ。」

上の言葉は、ある映画雑誌の記事で読んだ記憶がある。
多分、ジョージ・ルーカスかS・スピルバーグのどちらかだったと思う

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【映画タイトルシーン】

こんな言葉がまったくあてはまる偉大な映画である。

◆ストーリー

1935年5月13日、T・E・ロレンスはイギリスの田舎道でオートバイの
ハンドル操作を誤まり、林のなかへ突っこんで,19日に他界した。

葬儀のとき、「彼は偉大だった。」、「いや、彼は売名家にすぎない。」
「とんでもないやつ」と、彼への評価はわかれた。

1916年、イギリス陸軍のカイロ司令部でロレンス少尉は軍の上層部からは
異端者としての扱いだった。

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【マッチの火を指で消すロレンス】

そんなロレンス少尉(ピーター・オトゥール)に、トルコに対して反乱を起こした
アラビアの状況を調べるため、反乱軍を指揮するファイサル王子(アレック・ギネス)に
探し、情報を得るよう命令が下される。

司令部の仕事に飽き飽きしていたロレンスはさっそく出発するのであった。
焼けつくような砂漠。ラクダにのったロレンスはゾッとするほど美しいカープを描く砂漠の
稜線をガイドと進んで行く。

砂漠の大平原のなかにポツンと井戸があり,そこで休んでいたとき,はるかかなたの
地平線上にゴマツブのように小さな黒いかげが浮かんだ。ものすごい熱気のため
かげろうのようにゆれ動きながら、その黒い影はすこしずつ近づいてくる。

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【近づいてくる人物を見つめるロレンスとガイド】

ロレンスのガイドは、それを見て銃を構えたが、わずかに早く黒い影のライフルが火を吹いた。
真黒いアラビア服をきて黒いヒゲをはやしたハリス族の首長は、自らアリ(オマー・シャリフ)と
名乗り、あんたの雇ったガイドはこの井戸がハリス族の井戸と知ってて水を盗んだ、
だから殺されても文句は言えないとロレンスに告げるのだった。

ファイサル王子の陣地まで案内しようという、アリの申し出を断り、ロレンスはひとり旅を
つづけていく。ファイサルの陣営に着くと、ファイサルは、トルコ軍の近代兵器の攻撃に
手をこまねいていた。

「反乱軍は、飛行機にラクダで立ち向かうようなことはせず,行動力を生かしてゲリラ戦術に
 徹するべきだ」と進言するロレンス。彼の進言はアラブを支配しようとするイギリスにとっては
不利となる進言だった。

彼はシナイ半島南端のトルコ軍の要塞アカバを,背後から攻撃する計画を立てる。
しかし、それにはアラブ人でさえ恐れる熔鉱炉と呼ばれる灼熱の砂漠を縦断する必要があった。
ファイサルはアリを指揮官とする手兵を与えて行動の自由を許す。

灼熱地獄を進行するアラブ軍。途中あまりの過酷さに逃げ出したアラブ人をロレンスは
助けに一人引き返す。その行動と彼の強靭な意志力がアラブ人の信頼をかちえた。

作戦は、見事成功しカイロに着任したばかりの新司令官アレンピー将軍
(ジャック・ホーキンズ)はロレンスの功績をほめ,今後いかなる援助も惜しまぬと
約束する。

「エル・オレンス」とアラブ人から敬称で呼ばれるようになったロレンスのゲリラ行動は
その後も成功をおさめ、次第にロレンス自身も、自分は英雄なのだと思い込んでしまう。

その英雄意識うえに、ロレンスはトルコ軍が支配する町に潜入するが、トルコ軍に
捕えられ,司令官(ホセ・フェラー)からものすごい拷問と恥辱を受けてしまう。

彼の英雄意識は、崩壊しイギリスへの帰国を要望する。しかし周囲はロレンスを
すでに平凡な人間としてはあつかってくれなかった。アラビアでの軍事的優位を確保
するためにも、まだまだ彼を利用する必要があったのである。

アメリカ人新聞記者(アーサー・ケネディー)は彼の゛英雄的行為、をつまびらかに
報道し、アレンビー将軍はアラブ人が彼に寄せる信頼を最大限に利用しようとする。

アラブ人のためにというアレンビーの巧みな誘いに乗り、ロレンスは再度アラブ軍の
先頭に立つ。イギリス軍のダマスカス攻略に加わってイギリス軍より先にダマスカスを
占領したアラブ軍。ロレンスは、アラブ民族合議を作りアラブ民族の独立を図ろうとしたが
彼の純粋な情熱は、部落間の愚劣きわまりない対立によってぶざまに裏切られていく。

志破れたロレンスはアラビアを去って行く。アレンピー将軍の立場からいえば,彼はすでに
役目を果たした無用の長物であった。

Posted by guide : 17:59 | Comments (0) | Trackbacks (0) | Page Top ▲

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