イージー・ライダー Easy Rider

◆イージー・ライダー Easy Rider

 1969年 アメリカ映画 (カラー)

◆ストーリー

キャプテン・アメリカと仲間のビリーは、コカインを密輸して一儲けした。
札束を手にした二人は、改造型の大型バイク ”チョッパー” であてのない
旅に出発する。


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異様な長髪、ひらひらの皮ジャソパー、サングラス。そのどれもが
人々に、危惧と不安を抱かせる。

二人のオートバイはロサンジェルスから一路南へと向かった。
どこまでもつづく一本の道をひた走るバイク。

二人は、モーテルに行き一夜の宿をもとめるも、異形のオートバイと
長髪を見ると、モーテルの主人は顔をひっこめた。

二人は、とりあえず野宿することになった。たき火を囲みながら
マリファナを吸う二人。その晩はぐっすりと寝ることがてきた。

やがて、二人はジーザスというヒッチハイカーに出会い、彼とともに
ヒッピー部落へ向かう。そこはコンミューンと呼ばれる共同体部落。

すべては自給自足で行なわれていた。マリファナ、フリー・セックス
東洋思想、すべてがそこでは混沌と入り混じっていた。
だが、二人はどこかなじめなかった。

二人はまたも ” 自由の旅 ” に出た・・・・・・・・。


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◆見どころ

望遠レンズやズームの多用、ハレーションだらけの映像が続き
まるで自分がドリップしたかのような気分にさせられる映画と
いう印象が強く残った映画です。

当時、その異様な映像とシナリオがあるのかないのかわからない
設定に当時の批評家は酷評を浴びせました。

しかし、映画の作り方としては、確かに大胆で新しかったのは事実です。

もはやアメリカン・ドリームというものは、当時の若者には存在しなくなっていた。
アメリカはかつての希望あふれる健全な大国ではなく、病める国に変貌していた
その精神状況が、当時の風俗と共に生き生きと描かれた代表作です。

◆気になる役者さんたち

ピーター・フォンダ(キャプテン・アメリカ)
デニス・ホッパー(ビリー)

ピーター・フォンダもデニス・ホッパーも共に過去に
薬物使用の経験があったそうですが、だからこそあの感覚が
表現できたのでしょう。まるで実体験というリアルさが感じられました。

◆主なスタッフとキャスト

スタッフ

製作・・・・・ピーター・フォンダ
脚本・・・・・ピーター・フォンダ/デニス・ホッパー/テリー・サザーン
撮影・・・・・ラズロ・コヴアックス

キャスト

ピーター・フォンダ・・・キャプテン・アメリカ
デニス・ホッパー・・・・ピリー
ジャック・ニコルソン・・ジョージ・ハンスン



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アメリカン・グラフティ American Graffiti

◆アメリカン・グラフティ American Graffiti

    1973年 アメリカ映画(カラー)

1962年...ベトナム戦争突入直前の
アメリカ的な楽天主義が残された最後の時代を
描いた映画。
アメリカンニューシネマと呼ばれる映画ばかりの
ハリウッドに新しい風を吹き込んだ最初の傑作。


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◆ストーリー

ここカリフォルニアの地方都市。夕闇迫れば、盛り場には
どこからともなく若者たちが集まってくる。
スティーヴ、カート、テリー、ジョンの4人もいつものように
メルのドライヴインに集まってきた。でも今夜はいつもと
特別な夜だ。

 というのも、スティーヴとカートは、明日の朝になれば
東部の大学へ行くために、この町をあとにしなければならない。
居残り組のテリーやジョンとも今夜が最後なのだ。

 こんな田舎町での、若者たちの唯一の楽しみといったら
カッコいい車に乗ってイカした女の子をハントすることだけ。

   ちょっとはマシな車を持っていること、これも粋な男の
たしなみなのである。

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 スティーヴ、カート、ジョンはいちおうの車を持っているのに
テリーだけは、ベスパのスクーターである。それだけならまだしも
度の強い眼鏡をかけている彼はどうも女の子にはもてそうにない。

 テリーは18歳、スティーヴとカートが17歳で、ジョンは22歳だ。
ジョンは、大学とか学問とかにはまったく興味がないタイプ。

   しかし、彼と彼の車は、近郊のドライバーが腕試しを挑むほど
有名なのだ。今日も昼間からジョンを探し回っているドライバーが
いた。

   そんな4人の特別な晩がそれぞれの思いをこめて過ぎていく・・・

◆見どころ

彼らのカー・ラジオからひっきりなしに聞こえるディスクジョッキー
ウルフマン・ジャックの声。ウルフマン・ジャックは58年から66年までの
8年間、テキサス州のラジオ局から全米に向かって毎日休むことなく
ロックンロールをを流し、大声でわめきちらしながらしゃべっていた実在の
人物で、実際に当時の若者たちの心をとらえていたのです。
本名をボプ・スミスといったそうです。

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ジョージ・ルーカスが自伝的な要素をこめて作ったこの映画は
ニューシネマの暗さ、重さにくらべると大変明るいものです。

古き良き時代のアメリカの最後の時代。それがルーカスにとっては
とてもこだわりたかった部分なのでしょう。登場する男女のファッション
流れるオールディーズの名曲、そしてその時代の若者たちの青春像が
見事に表現された名作です。

この映画以降、多くの アメ・グラ スタイルの青春群像映画が続きました。

ちなみに、ルーカスに一番近いと思われるのは最後に作家になったと
タイトルロールされるカートだと言われています。

◆主なスタッフとキャスト

監督・・・ジョージ・ルーカス
製作・・・フランシス・フオード・コッポラ/ゲイリー・カーツ
脚本・・・ジョージ・ルーカス/グロリア・カッツ/ウイラード・ヒュイック
撮影・・・ロン・イーヴスレッジ、ジャン・ダーケン

主演

リチャード・ドレイファス・・・・・・・カート・ヘンダーソン
ロン・ハワード・・・・・・・・・・・・・スティーブ・ボランダー
ポール・ル・マット・・・・・・・・・・ジョン・ミルナー
チャールズ・マーティン・スミス・テリー・フィールズ
キャンディ・クラーク・・・・・・・・・・デビー・ダンハム
シンディ・ウィリアムズ・・・・・・・・ローリー・ヘンダーソン
ウルフマン・ジャック・・・・・・・・・ディスクジョッキー、ウルフマン・ジャック本人役
ハリソン・フォード・・・・・・・・・・・ボブ・ファルファ

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おもいでの夏 Summer of '42

◆おもいでの夏

    1971年/アメリカ(カラー)です。

◆ストーリー

15歳の夏、ハーミー(ゲーリー・グライムス)は第二次大戦の戦火から
逃れるため、ニューイングランドの沖合いに浮かぶ美しい島にきていた。

彼はその島で、オシー(ジェリー・ハウザー)とベンジー(オリヴァー・コナント)という
友人を作りいつも3人は、退屈な日々を終日海辺で暮らしていた。

彼らの好奇心は、もちろん性への欲求が強く、旺盛な好奇心を湧きたたせていた。
ある日、3人は小高くなった丘にポツンと建つ家の前で、新婚の若い夫婦が楽しげに
語らっているのを、遠くから眺めていた。

ハーミーの目には、その美しい新妻の横顔が鮮明に焼きついて離れず、ただ呆然と
小さな家を眺めていた。翌日、桟橋でボートに跳び乗ったハーミーの目に昨日の
美しい女の姿が映った。

彼女は、戦場に向かう夫を見送りに来ていたのだ。彼女のドロシー(ジェニファー・オニール)と
いった。・・・・・・・

◆見どころ

「1942年の夏、僕たちは沿岸警備隊の詰所を4回襲った。
 五本、映画を観た。九日間雨が降った。ベンジーは腕時計
 をこわし、オシーはハーモニカを吹かなくなった。そして僕
 は、あの十五歳のハーミーを永遠に失ってしまった。」

セックスへの好奇心、年上の女性への憧れ、そして体験と
思春期映画の典型的パターンを踏襲しながら、みごとな哀感を
表現した名作です。

スーラーの点描画を彷彿させるロバート・サーティーズの撮影はおそらく
撮影カメラノレンズに何かをかぶせて撮ったのでしょう。この風景の
美しさにまずしびれてしまいました。また当時の人気映画音楽家
ミシェル・ルグランの哀切なテーマ曲は今でもお気に入りの映画音楽です。

なんといっても、ラストのハーミーとドロシーのダンスシーンと一夜をともに
過ごすシーンの静けさが素敵でした。

勇気だめしでコンドームを買うくだりも、当時の自分にはとても気持ちが
理解できた名シーンでもあります。

ロバート・マリガンの知性と穏やかで優しさ溢れる演出は、気持ち
の良い映画とはどういう映画なのかを、端的に教えてくれます。

地味ですが、アメリカ映画珠玉の一作といえます。

◆気になる役者さんたち

ドロシー役を演じた、ジェニファー・オニールは結局これだけが
印象に残った作品となってしまいました。憂いをおびたあの面影は当時の
思春期だった映画ファンには、忘れられない一人となっているでしょう。

当時の話題 以下は

出典: 1971年とは
- フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

1978年のその他の代表映画 

北米

   1. ある愛の詩
   2. Little Big Man (Little Big Man)
   3. おもいでの夏(Summer of '42)

第44回アカデミー賞

    * 作品賞 - フレンチ・コネクション
    * 監督賞 - ウィリアム・フリードキン(フレンチ・コネクション)
    * 主演男優賞 - ジーン・ハックマン(フレンチ・コネクション)
    * 主演女優賞 - ジェーン・フォンダ(コールガール)

◆スタッフと主なキャスト

監督:ロバート・マリガン
脚本:ハーマン・ローチャー
撮影:ロバート・サーティーズ
音楽:ミシェル・ルグラン

出演:ジェニファー・オニール /ゲイリー・グライムス
   ジェリー・ハウザー/オリバー・コナント

Posted by guide : 21:24 | Comments (0) | Trackbacks (0) | Page Top ▲

卒業 1967年 アメリカ映画

◆卒業

    1967年/アメリカ(カラー)です。

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◆ストーリー

大学を優秀な成績で卒業したベンは、家に戻っても将来のビジョンが
何も見つけられず、虚無的な生活を続けていた。両親が開いた卒業パーティーで
そんな彼を誘惑しようとする、親の友人のロビンソン夫人。

一度はその誘惑を振りきったベンだっだが、彼女の誘惑は強い刺激となってしまい
数日後、今度はベンのほうからデートを申し込んでしまう。こうして2人はその後
しばしばホテルで会うようになるが、ロビンソンの娘エレーヌが学校休みで戻って
から大きくくずれていってしまう。

何も知らない両親の勧めで、初めはいやいやながらエレーヌとつき合ったベンだが
その可憐さ、清純さに次第に彼女を本気で愛するようになってしまう。
しかし、ロビンソン夫人が二人の仲を認めるわけもなく・・

◆見どころ

ラストでの花嫁盗み出しシーンが、当時若者達の大喝采をあびて大ヒットしました。
しかしこのラストを含め映画の内容は、年配者からはちょっと疑問視されています。

新感覚の演出とみずみずしいサイモン&ガーファンクルの音楽で優しくオブラード
されてはいますが、この映画の題材は、両親と年の違わない人妻との不倫そして今度は
その娘との恋愛なのです。こうして文字にするとかなりとんでもない内容であることが
わかります。

この映画が公開された67年、当時は性はまだスキャンダラスなものという考えで
あり、ハリウッド映画がこれほどセックスをあけすけと語り、しかも通常では
考えにくい三角関係に焦点をあてたことはありませんでした。

かって、アメリカ映画の伝統のジャンルであった家庭映画の道徳観、倫理観や
暖かさは、まったく消えうせてしまいシニカルで、ペシミスティックな
冷ややかさでこのロビンソン一家の崩壊を描いています。

舞台演出で修練を積んだマイク・ニコルズ監督の代表作となった作品です。

また、もうひとつ「卒業」が生んだ独創性が音楽の使い方でした。

サイモン&ガーファンクルという人気デュオのすでにレコード化してあった
「サウンド・オブ・サイレンス」「スカボロー・フェア」などに加え
映画用として作られた「ミセス・ロビンソン」などを効果的に使用しています。

当時の映画のなかでも、はっきりとターゲットを若者の感性に絞った戦略で
あり、後の映画サウンドトラックに大きな影響を残しました。

◆気になる役者さんたち

ダスティン・ホフマン・・(ベンジャミン・ブラドック役)

この暗い題材の前半で、笑いを誘う名演をみせた主人公ベン。
卒業といえば、あのラストシーンが有名ですが、彼の真骨頂は
アン・バンクロフトに初めてデートを申し込み、ホテルのフロントで
右往左往するシーンなどの奇妙なおかしさにあります。
ずんぐりむっくりでさほど美男子とも言えない彼は、この後
「真夜中のカーボーイー」で、ニューヨークに巣くうちっぽけな麻薬売人を
演じ、一気に名優として開花していくのです。

また、若き日のリチャード・ドレイファスが後半アパートの住人役で
登場します。気をつけていればすぐにわかりますよ。

当時の話題 以下は

出典: 1967年とは
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

1967年のその他の代表映画    

第40回アカデミー賞

    * 作品賞 - 夜の大捜査線
    * 監督賞 - マイク・ニコルズ(卒業)
    * 主演男優賞 - ロッド・スタイガー(夜の大走査線)
    * 主演女優賞 - キャサリン・ヘプバーン(招かれざる客)

◆主なキャスト・スタッフ

監督:マイク・ニコルズ /脚本:バック・ヘンリー/カルダー・ウィリンガム
原作:チャールズ・ウェップ   
撮影:ロバート・サーティース
音楽:ポール・サイモン /デイヴ・グルーシン

出演:アン・バンクロフト /ダスティン・ホフマン
   キャサリン・ロス

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ビックウェンズデー

◆ビッグウェンズデー

 1978年 アメリカ映画(カラー)です。

カルフォルニアのとある海辺の町。そこではマット、ジャック、
リロイの3人を中心に陽気な若者たちが、サーフィングループ
を作っていた。
彼らの夢は水曜日にやって来るという伝説のビックウェイヴ
世界最大の波“ビッグウェンズデー”に挑戦することだった。

60年代を回顧する作品のなかで、大好評を博した名作。
ジョン・ミリアスのウェットさが日本人の好みにマッチした
作品といえます。

◆見どころ

やはり、圧巻はラストシーンの“ビッグウェンズデー”です。
津波に見えるような大波にはじき飛ばされるサーファーたち
いったいどうやって撮影したのでしょうか。
パイプラインと呼ばれる波の空間をサーフするマットやリロイ。
もちろん危険なシーンですから、代役のプロサーファーたちが
演じていますが、見事な撮影です。

またジャックがベトナム行きを決意して、一人最後になるかも
知れない故郷の海でのサーフシーンは哀感が漂います。

青春、友情という不滅の映画メッセージにベトナム戦争が
陰を落とす常套的な作り方ですが、ミリアス監督の優しさが
あざとさを見せず、いい出来栄えに仕上ています。

愛蔵品として、今でも月一の割合で観てしまう作品。ほろ
苦さがたまりません。ジャン・マイケル・ヴィンセントや
ウィリアム・カットの鍛え上げた肉体がかっこいいです。

当時、ほとんど目立たなかったがタフな
悪役として、3人の中で一番息の長い俳優になっています。

最後に流れるギターの音色がたまらなく、感傷的にさせます。
本当に優しい音色です。

◆気になる役者さんたち

リー・パーセル・・(ペギー)
マットの恋人役で、ヤンチャなマットを暖かく見守り彼の奥さんに
なってからも優しく彼を支えていきます。
ジャック、リロイとも家族のようにつきあい、ベトナムから戻った
ジャックと涙ながらに抱き合うシーンは最高でした。
いかにも日本人好みの可愛らしい顔立ちでしたが、残念ながら
本作以外では、これといった出演作を思い出せません。

ゲイリー・ビジー・・(リロイ)
当時、主人公3人のなかでは一番人気が低かった彼ですが、その後
悪役に転身、息の長い活躍をしています。

ウィリアム・カット・・(ジャック)
真面目に物事に向かう彼は、友人達がベトナム徴兵を回避しようと
するなか、一人自ら志願して出征していきます。しかし無事戻った
彼を待っていたのは、恋人の結婚、友人の戦死などの悲報なのです。
繊細な役柄を入魂の演技でこなしています。

当時の話題 以下は

出典: 1978年とは
- フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

1978年のその他の代表映画 

北米
   1. スーパーマン
   2. グリース(en:Grease (film))
   3. サタデー・ナイト・フィーバー
   
第51回アカデミー賞
    * 作品賞 - ディア・ハンター
    * 監督賞 - マイケル・チミノ(ディア・ハンター)
    * 主演男優賞 - ジョン・ヴォイト(帰郷)
    * 主演女優賞 - ジェーン・フォンダ(帰郷)

◆主なキャスト・スタッフ

監督:ジョン・ミリアス /脚本:ジョン・ミリアス
      デニス・アーバーグ
撮影:ブルース・サーティーズ
音楽:ベイジル・ボリドウリス


出演:ジャン・マイケル・ヴィンセント/ウィリアム・カット
   ゲイリー・ビジー/リー・パーセル

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