July 17, 2009
ローマの休日 (3) 俳優たちのアンサンブル Roman Holiday
◆ローマの休日 (3) 俳優たちのアンサンブル Roman Holiday
1953年 アメリカ映画 (モノクロ)
今なお、ロマンス映画の原点として輝く不朽の名作
◆新星 オードリー・ヘップバーン
夢のようなおとぎ話でありながら.ほのぽのとした感傷につつまれ
しっとりと心にしみいるこの作品は、優れた脚本と、ウィリアム・ワイラー監督の
演出と演技指導、そして新星オードリー・ヘップバーンの登場と、3拍子揃ったうえに
誕生しました。
なかでも、この映画は新星オードリー・ヘップバーンの登場なくしては考えられない
映画です。
【初公開当時のポスター】
ウィリアム・ワイラー監督は、このヒロイン役に数回のオーディションをおこないましたが
気に入ったヒロインがなかなかみつかりませんでした。
そんな時、当時ブロードウェイで上演されていた「ジジ」の主役を務めていたオードリーの
話を耳にし、その演技を見てすぐにヒロインに決めたといいます。
当時、オードリーはアメリカ映画界でほとんど無名に近く、また、当時のグラマー女優
全盛の時代では、あまりに痩せすぎであるため危惧の声もあったそうですから、監督の
英断は冒険だったことでしょう。
しかし、オードリーは、立派にワイラーの期待に応えたのでした。
某国のやんごとなき王女様という役です。演技以前に王女らしい気品がもとめられるでしょう。
冒頭のニュースシーンで初めて登場するオードリーの気品は実にあっぱれでした。
ジョーの案内で、名所旧跡を訪れるオードリー。計算しつくされた良家の子女らしい
ファッションですが、そこはかとなく漂う品の良さは彼女の持つ資質であります。
◆グレゴリー・ペック
新聞記者ジョー役を演じたグレゴリー・ペックは、当時すでに大スターとしての地位に
ありました。しかし彼はどの作品に出てもその演技は常に一本調子であるため、一部から
「大根役者」と呼ばれていました。この映画でも彼はそのスタイルを崩してはおりません。
そのため、あまりに鮮烈なオードリーと比較されて、
「グレゴリー・ペックはこの作品でまったく演技をしていない」とまで酷評した批評家も
いました。
しかし、素朴で真面目なペックの個性はワイラー監督の狙いとピッタリあてはまって
いたことは間違いありません。
ジョーのアパートでのアンとの会話の優しさ、別れの車中でアンに
「私の行き先を見ないでくださいね。」と懇願され、うなずくジョーの素朴さ。
彼の個性なくしては、これほどのロマンティズムは生まれなかったでしょう。
有名な”真実の口” のエピソードで、ペックの手が挟まれて出なくなるシーンはあらかじめ
細工をしてあり、しかもそのことはオードリーには教えておかなかったそうです。
だからこそ、あのオードリーの驚きようはとても自然でした。
【真実の口 オードリーの自然な演技が素晴らしい】
◆エディ・アルバート
グレゴリー・ペックの素朴な演技と対照的だったのが、カメラマン アーヴィンク゛を
演じたエディ・アルバート。ノンシャランで軽妙洒脱なカメラマンを実に巧みに
表現していました。もうけ役で、ラストの記者会見でアン王女にそっと写真の封筒を
渡すときの雰囲気など絶妙でした。
【ラストの記者会見、最後の別れをかわすジョーとアン】
1953年 アメリカ映画 (モノクロ)
今なお、ロマンス映画の原点として輝く不朽の名作
◆新星 オードリー・ヘップバーン
夢のようなおとぎ話でありながら.ほのぽのとした感傷につつまれ
しっとりと心にしみいるこの作品は、優れた脚本と、ウィリアム・ワイラー監督の
演出と演技指導、そして新星オードリー・ヘップバーンの登場と、3拍子揃ったうえに
誕生しました。
なかでも、この映画は新星オードリー・ヘップバーンの登場なくしては考えられない
映画です。
【初公開当時のポスター】
ウィリアム・ワイラー監督は、このヒロイン役に数回のオーディションをおこないましたが
気に入ったヒロインがなかなかみつかりませんでした。
そんな時、当時ブロードウェイで上演されていた「ジジ」の主役を務めていたオードリーの
話を耳にし、その演技を見てすぐにヒロインに決めたといいます。
当時、オードリーはアメリカ映画界でほとんど無名に近く、また、当時のグラマー女優
全盛の時代では、あまりに痩せすぎであるため危惧の声もあったそうですから、監督の
英断は冒険だったことでしょう。
しかし、オードリーは、立派にワイラーの期待に応えたのでした。
某国のやんごとなき王女様という役です。演技以前に王女らしい気品がもとめられるでしょう。
冒頭のニュースシーンで初めて登場するオードリーの気品は実にあっぱれでした。
ジョーの案内で、名所旧跡を訪れるオードリー。計算しつくされた良家の子女らしい
ファッションですが、そこはかとなく漂う品の良さは彼女の持つ資質であります。
◆グレゴリー・ペック
新聞記者ジョー役を演じたグレゴリー・ペックは、当時すでに大スターとしての地位に
ありました。しかし彼はどの作品に出てもその演技は常に一本調子であるため、一部から
「大根役者」と呼ばれていました。この映画でも彼はそのスタイルを崩してはおりません。
そのため、あまりに鮮烈なオードリーと比較されて、
「グレゴリー・ペックはこの作品でまったく演技をしていない」とまで酷評した批評家も
いました。
しかし、素朴で真面目なペックの個性はワイラー監督の狙いとピッタリあてはまって
いたことは間違いありません。
ジョーのアパートでのアンとの会話の優しさ、別れの車中でアンに
「私の行き先を見ないでくださいね。」と懇願され、うなずくジョーの素朴さ。
彼の個性なくしては、これほどのロマンティズムは生まれなかったでしょう。
有名な”真実の口” のエピソードで、ペックの手が挟まれて出なくなるシーンはあらかじめ
細工をしてあり、しかもそのことはオードリーには教えておかなかったそうです。
だからこそ、あのオードリーの驚きようはとても自然でした。
【真実の口 オードリーの自然な演技が素晴らしい】
◆エディ・アルバート
グレゴリー・ペックの素朴な演技と対照的だったのが、カメラマン アーヴィンク゛を
演じたエディ・アルバート。ノンシャランで軽妙洒脱なカメラマンを実に巧みに
表現していました。もうけ役で、ラストの記者会見でアン王女にそっと写真の封筒を
渡すときの雰囲気など絶妙でした。
【ラストの記者会見、最後の別れをかわすジョーとアン】
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